ハードな食事制限で体重を減らすことには成功したけれども、ちょっと気を緩めたとたんに、すぐに元に戻ってしまった・・・。
このようなリバウンドの経験をされた方は多いのではないでしょうか。
今回は「何度もリバウンドを繰り返すと、痩せにくい身体になってしまう」現象について説明します。
これには、飢えから生命を守ろうとする人間の防御反応が関わっています。
今は飽食の時代といわれ、食べたいものがすぐに食べられますが、飢える心配がなくなったのはごく最近のことで、ひと昔まではいつ飢餓に見舞われるかもしれない時代でした。
人の身体には飢餓に対抗して生命を維持する仕組みがいろいろとできているのです。
たとえば、ダイエットで急激に食事量を減らした場合、身体には”飢餓状態”に陥ったと勘違いして、少ないエネルギーでも現状の体脂肪率を維持しようと働きます。
すると、まずは胃腸のエネルギー吸収率が向上し、それと同時に基礎代謝量が低下していきます。
つまり、人の身体は飢餓から身を守るために、”省エネモード”に切り替わるわけです。
この状態でダイエットする前と同じカロリーの食事の量に戻したらどうなるでしょう?
基礎代謝として使用するエネルギーが減っている分、余ったエネルギーが脂肪として蓄えられてしまいます。そしてこの飢餓状態を何度も経験するうちに、すっかりダイエットに抵抗性ができて、痩せにくい身体になってしまうというわけです。
よく、「リバウンドしちゃったけど、またダイエットすればいいや」と安易に考えて、何度もダイエットしては失敗を繰り返す人がいますが、これでは痩せるどころか、逆に太りやすい身体をつくっているようなもの。
リバウンドなしに健康的に痩せるためには、無理のない目標を設定して、ゆっくりと時間をかけて脂肪を落としていくことが大切です。
【健康の知恵300 中原英臣 著】 参照