筋肉の中には、筋膜が複数あります。
一本一本の筋繊維の外側に「筋内膜」があり、いくつか束になった筋繊維を覆う「筋周膜」がある。
そして筋周膜に包まれた筋繊維束がいくつか集まって、「筋外膜」に包まれているのです。
このように何重もの膜で包まれているために、筋肉は強く壊れにくい構造になっているのです。
それでも限界を超えた強さで引っ張られたり、大きな力が局所的に集中したりすると、その筋膜が
切れたり裂けたりすることがあります。
しかも、筋膜には血管や神経がたくさん走っているので、出血や痛みが同時に起こります。
筋膜に傷がついた状態、これを総称して「肉離れ」と言います。
筋断裂のようなケガよりは、もう少し軽度というものです。
肉離れが起こりやすいのは、主に下半身です。
軽い症状の場合はテーピングでグルグル巻きにして運動を続けることもできるかもしれませんが、
基本的には肉離れが起こったらその部位を使ったトレーニングは避けるべきです。
筋膜から出血して腫れあがることもありますから、その間は安静と休養が必要です。
ではどんな時に起こるのか?
ダッシュ走のような「エキセントリック」な動作、すなわち筋肉を伸展させる動作が瞬時に加わると
起こりやすいです。
他に筋肉のアンバランスな使い方、例えば筋肉のある部分は使われているけど、その反対側の筋肉は
使われていない、といったケースで筋膜が切れやすくなる傾向があるようです。
寒い日や疲労が残っている時に起こりやすいことを考えると、筋肉の調整力が関連しているのでは
ないでしょうか。肉離れを防止するには、栄養や疲労 気温などに気を配り、筋肉の状態を良くする
ことが大切になります。